今回はInstagramに新しく登場した「ショッピング機能」でなにができるのか、どのように活用すればいいのかをご説明します。
国内外問わず多くのユーザーに親しまれているInstagram。今やSNSとして欠かせないアプリとなりましたが、そんなInstagramに2018年6月5日から「ショッピング機能(Shop Now)」が導入されました。
目次
1.ショッピング機能とは

企業アカウントなどが投稿した商品写真をタップすることで、写真内のそれぞれのアイテムに商品名と価格が表示され気に入った商品があれば、その企業のECサイト(商品サイト)にて購入することができる機能です。購買までのフローがより簡単になるため、うまく活用できればかなりの効果が期待できます。
Instagramはこれまで投稿ごとにリンクを貼れない仕様となっており、商品までの導線があまりスムーズではありませんでした。
しかし、ショッピング機能が新しく追加されたことにより、投稿を見たユーザーは画像をタップし、直接ECサイトに移動することで商品の購入を行うことが可能となりました。
1枚の画像に5商品までタグ付けできる
ショッピング機能は、画像ごとに最大5つの製品、またはカルーセルごとに最大20の製品をタグ付けしてフィルターやキャプションを追加できます。
ストーリーズにショッピング機能が登場
2018年9月より、Instagramストーリーズのショッピング機能が日本を含む世界45か国に展開されることが発表されました。
現在テスト中ですが、ショッピング機能の利用を承認されたビジネスは、製品名またはショッピングアイコンを使ってストーリーズごとに最大3つの製品スタンプを作成できるようになるといわれています。ストーリーズでショッピング機能が使えるようになれば、24時間限定販売など、使い方の幅がさらに広がり、より購買体験につなげることができるようになるでしょう。
ショッピング機能はアプリのみ!
ショッピング機能は、公式に提供している分析ツール「インサイト」同様、スマートフォンアプリからのみ利用可能となっており、PCからは利用できません。
2.ショッピング機能を使うには
ショッピング機能は無料で始められますが、機能を利用するに当たり下記条件を満たしていなければなりません。
ショッピング機能の導入に必要な条件
①ビジネスで、提供者契約とコマースポリシーに準拠した物理的な商品を販売している
②Instagramアカウントがビジネスプロフィールに移行済みである
③Instagramアカウントが所有権のあるFacebookページと接続されている
④Facebookページでショップセクションを追加もしくはビジネスマネージャでカタログを作成している(あるいはBASE、EC-Cubeなど、カタログ作成をサポートする国内事業者のECプラットフォームと連携する)
上記が満たされるとInstagramによるアカウント審査が行われ、製品のタグ付けができるようになります。
「物理的な商品を販売している」という条件が入っていることからわかるように、ショッピング機能を使えるのは有形物を扱っている事業者のみとなっています。そのため、料理の画像にリンクをタグ付けして飲食店の予約に誘導するなどの使い方はできません。
承認申請後のフロー
審査は通常数日ほどで終了します。しかし、アカウントの詳細を審査する必要がある場合は、数週間かかることもありようです。承認されるとInstagramから通知があり、ショッピング機能を設定できるようになります。
ECプラットフォームを利用して申請する方法
BASE株式会社は、ECプラットフォーム「BASE(ベイス)」でお店を開いている人向けに、ショッピング機能用のアプリ「Instagram販売App」の提供を2018年6月より開始しています。審査条件などは変わりませんが、プラットフォームでECサイトを運営している人は、これらを利用して審査の申請をする方法もあります。
3.ショッピング機能を利用するメリット
2018年6月に開かれたInstagramの公式イベントでは、「ユーザーの20%が検索機能を毎日利用し、42%の人がInstagramでの検索後にアクションを起こすこと」「国内EC市場ではモバイル経由の売上が35%で、2020年におけるモバイル経由のEC売上予想は2015年比の2.35倍である」ことなどを発表しています。

画像引用:IMPRESS BUSINESS MEDIAより
Instagramをはじめ、SNSで商品に関する情報を収集・比較検討するのが当たり前になりつつある現在、SNSからの導線が複雑だと、購買意欲が高まったユーザーを逃してしまう可能性があります。
ショッピング機能であれば、ユーザーの「知りたい」「欲しい」というモチベーションが高いときに商品の詳細までたどり着くことができ、スムーズに検討・購入が可能です。また、これまでリーチできていなかった潜在顧客との接点を持つことも期待できます。
4.ショッピング機能の活用方法
ここではショッピング機能の現状とどのように利用すればうまく活用できるのかをご説明します。
現在、ショッピング機能を利用し投稿を行なった場合、「投稿」から「商品紹介ページ」、タブをタップして「ECサイトページ」に飛び「購入」という流れになっています。

ZOZOTOWN(@zozotown_official)より
購入までの流れからわかるようにショッピング機能は、あくまでインスタグラムからECサイトへと飛ばすフローを作るものです。Instagram上でECを構築して販売できるようになるわけではありません。
ショッピング機能と聞くと、「購買までを完結できる」とお思いの方もいらっしゃったかもしれませんが、現状の使い方としては「個別の投稿から、ECサイトの個別商品ページにユーザーを呼び込むもの」となります。
しかしながら、個別の投稿はタイムラインやハッシュタグ検索、発見フィードなどでさまざまなユーザーとつながることができ、フォロワー以外の流入も見込めます。
5.ショッピング機能の利用例
実際にInstagramのショッピング機能を利用している企業アカウントをご紹介します。ショッピング機能の導入を検討されている方はこれらを参考にされてみてはいかがでしょうか。
BOTANIST(化粧品)

ボタニストは、自然派のシャンプーや化粧水等を販売しているメーカーで、LOFTや東急ハンズでも人気の高いブランドです。近年、インターネットを活用した認知拡大や販売に注力しています。少し高級でおしゃれな商品を嗜好する20代〜30代の女性は、インスタグラムのメインターゲットであり、今後もさらに注力していくでしょう。
creema(日本最大級のハンドメイドマーケットプレイス)

「creema(クリーマ)」は、手作りの品を誰でも簡単に販売することができる、CtoCマーケットを展開しているサービスです。おしゃれなハンドメイドの商品を買えることで、30代40代の女性を中心に人気を博しています。
ZOZOTOWN(日本最大級のファッション通販)

ZOZOTOWNは1枚の画像に1つの商品のみをタグ付けしている投稿が多く、カルーセル投稿を活用してそれぞれの画像にタグを付けたりと、うまくショッピング機能を使いこなしています。購入が完了するまでユーザーに煩わしさを感じさせず、購買意欲を低下させない工夫が見られます。
購買促進への新たなチャネル
ショッピング機能はSNSからECサイトまでの導線が短く、気に入った商品をすぐに買うことができます。「欲しい」という感情が消える前に購買につなげられれば、売上にもつながります。
また、Instagramのメインユーザーはこれから消費の中心になってくる10代〜30代の「ミレニアル世代」になります。デジタルネイティブな世代であるがゆえ、買い物もネットで済ませる人も多くいます。
こうした理由からInstagramのショッピング機能は今後もますます注目され、多くの企業が導入することが考えられるでしょう。しかしながら、Instagramを運用するうえで、思うようにフォロワーを獲得できなかったり、売上につながらないという悩みを抱える企業は非常に多いのが現状です。
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