今話題のTikTokライブコマースについて解説!なぜここまで注目されているのか?

服部莉奈

今話題のTikTokライブコマースについて解説!なぜここまで注目されているのか?

ライブコマースは、中国で数十兆円もの規模をもつ次世代の販売手法です。動画やインフルエンサーを起用するため、昨今の消費トレンドと合致しており大きな収益が見込めます。 TikTokでも積極的に導入されており、次世代の消費トレ…

ライブコマースは、中国で数十兆円もの規模をもつ次世代の販売手法です。動画やインフルエンサーを起用するため、昨今の消費トレンドと合致しており大きな収益が見込めます。

TikTokでも積極的に導入されており、次世代の消費トレンドとして期待されています。

「SNSの販売に力を入れたい」「新しい手法で売上を増加させたい」と考えている担当者は多いでしょう。

動画やSNSを使った情報収集が当たり前になっている中、ライブ配信とSNS消費を組みあわせたライブコマースが次世代の消費トレンドとして注目されています。

中国では数十兆円の規模に膨らんでおり、ビジネスチャンスと考える方も多いはずです。

本記事では、ライブコマースの特徴や展望を踏まえて、TikTokのライブコマース事情を解説します。

新しい販売手法で成果を出したい方は、ライブコマースについてしっかりと理解しておきましょう。

ライブコマースとは?

ライブ配信
ライブコマースとは、Web版の実演販売のようなイメージです。

ライブ配信を通して、リアルタイムで商品の魅力を知ったり疑問を解決したりできます。

注目されているのは以下の2種類です。

・インフルエンサーに依頼
・企業担当者が実施

ライブコマース先進国の中国では、インフルエンサーマーケティングやソーシャルコマースの延長としてライブコマースが活用されています。

実際に、多くの国でライブコマ―サーというライブコマース専門の職業が認知され始めました。

ライブコマースは、今後の「SNS×EC」市場において大きな効果が期待されています。

ライブコマースが注目されている理由

中国の事例をきっかけに、ライブコマースが注目されるようになりました。

実際に、海外大手企業の参入やニュースで取り上げられるようになったことで、多くのマーケティング担当者の耳にも入っているでしょう。

ライブコマースが注目されている理由は以下の通りです。

・中国での市場規模が17兆円を突破
・配信内で問題を解決できる
・カート落ちを防げる

ライブコマースには独自のメリットがあり、今後の消費トレンドとなることが予想されています。

いつでも参入できる状況にしておくことで、日本での先行者利益も見込めます。

1.中国での市場規模が17兆円を突破

ライブコマースが話題になったのは、中国の実例がきっかけです。

実際に、2020年にはライブコマースの市場規模が1兆元(約17兆638億円)まで成長し、2025年までに6兆元(約100兆円)に到達すると考えられています。

日本を含む諸外国では、ライブコマースは主流ではありません。

しかし、大きな売上を生めるポテンシャルがあり、企業の戦略としても十分活用できます。

参考:https://www.cbn.co.jp/archives/29384

2.配信内で問題を解決できる

ライブコマースのメリットは、配信内で悩みを解決できることです。

たとえば、中国ではインフルエンサーを起用したライブコマースが売上に直結しています。

近年流行しているインフルエンサー消費も「嘘のない率直な意見を参考にしたい」という欲求が発端です。

ライブコマースなら配信内でコミュニケーションを取れるため、リアルな感想や質問ですぐに問題を解決できます。

3.カート落ちを防げる

ECサイトの問題として挙げられるのが「カート落ち」です。

カート落ちとは、一度カートに入れた商品が購入されなかった状況を指します。

ユーザーは、商品に関する悩みを解決するためにSNSやネットの情報を集めるため、購入までの物理的時間をつくってしまうカート機能が弊害となってしまいます。

前提として、商品を売るためには購入者の熱が冷める前に手続きを完了してもらわなくてはいけません。

ライブコマースはその場で購入してもらうことを目的として設計されているため、配信で高まった熱量のまま購入に繋げられます。

海外のライブコマース状況

海外ライブ配信状況
日本では、ライブコマースを活用した販売は一般的ではありません。

かし、中国では2020年6月までにライブコマースの市場規模が17兆円を突破し、ライブコマース先進国となっています。

さらに、中国の状況をみた大手海外企業が続々と参入した結果、ライブコマースが販売手法の1つとして認知され始めました。

ここでは、実際の販売事例を紹介します。

中国版TikTok(抖音/ドウイン)

中国版TikTokの抖音(ドウイン)では、すでにライブコマース機能が先行導入されています。

インフルエンサーを起用したライブ配信では、3時間で1億1,000万元(約16億円)以上もの売上を達成しました。

視聴者は累計4,800万人以上と、ライブコマース自体の人気がうかがえます。

参考:https://crossborder.dac.co.jp/china/survey_on_the_use_of_cross-border_e-commerce_sites-2/

中国最大手のECサイト淘宝(タオバオ)

淘宝(タオバオ)は、日本語にも対応している中国大手のECサイトです。

タオバオは、2016年からライブコマースのテスト運用を開始しており、2019年には専用サービス「淘宝直播(タオバオライブ)」をリリースしました。

インフルエンサーを起用した形式が多く、1回のライブ配信で2,000万元(3億2,000万円)もの売上を収めることに成功しています。

参考:https://licomma.com/column/04-2/

アメリカ最大手のECサイトウォルマート

中国以外でも、大手ECサイトのウォルマートがライブコマースに参入しています。

実際に、2020年12月にTikTokと共同して実施したショッピング対応ライブ配信では、1時間で約1万人が視聴しました。

しかし、中国以外ではまだ国民に受け入れられていない販売手法なので、爆発的な売上を出せたわけではありません。

ウォルマートは、定期的にライブコマースのテストをしているので、今後も海外のEC市場を牽引していくことが期待されています。

参考:https://news.line.me/articles/oa-rp25648/d900cdded1f4/

TikTokのライブコマースが期待されている理由

期待
先ほども紹介したように、中国版TikTokではすでにライブコマースの機能が実装されています。

TikTokのライブコマースが期待されている理由は以下の3つです。

・Z世代に向けて直接販売できる
・ユーザー層とライブコマースの相性がよい
・中国での成功事例やノウハウを活用できる

ショッピング機能と連動させなければライブコマースの力が発揮されません。

日本でのライブコマース導入を検討する場合、TikTokか Instagramどちらかが主に活用されると考えられています。

どちらにも別のメリットがありますが、ここではTikTokの例を紹介します。

1.Z世代に向けて直接販売できる

TikTokを活用したライブコマースでは、Z世代への直接販売が期待されています。

Z世代が商品を購入する流れは以下の通りです。

1.商品を発見
2.検索エンジンまたはSNSで検索
3.SNSの口コミを参照して再検討
4.実店舗または通販サイトで購入

Z世代の特徴は、SNSの口コミを検討材料として活用することです。

特に、女性の場合はSNSが占める割合が大きくなります。

さらに、実店舗や友達の意見を聞くなど購入するまでに再検討を繰り返しており「失敗したくない」という傾向が強くみられます。

ライブコマースなら、リアルな紹介や質問を通して再検討に必要な情報を配信内で得られるので、購買に繋がりやすいのが特徴です。

2.ユーザー層とライブコマースの相性がよい

TikTokは、Z世代を中心とした女性のアクティブユーザーが多いSNSです。

TikTokのユーザー層は、インフルエンサーやSNSをきっかけに商品を購入した経験が多く、同様にインフルエンサーを起点とするライブコマースでの購入にも期待できます。

また、インフルエンサー広告で売れている商品として化粧品や美容品が挙げられますが、健康や肌荒れに関わるため慎重に選ぶ傾向があります。

インフルエンサーの意見や感想を聞きながら検討できるライブコマースは、失敗したくない買い物との相性がよいため、化粧品や美容品のターゲットとなる若年女性が多いTikTokは絶好の媒体です。

3.中国での成功事例やノウハウを活用できる

中国版TikTokの抖音(ドウイン)では、すでにライブコマースでの成功事例が豊富です。

特に、ECサイトばかりがライブコマースに成功している中、ドウインは動画配信サービスとしてライブコマースで実績を重ねています。

動画配信サービスは、ECサイトのように商品購入を目的としたユーザーばかりではありません。

その中で実績があるのは大きなメリットで、サービス自体が海外展開していることも踏まえ、ノウハウを駆使して先行事例をつくりやすくなっています。

日本版TikTokのライブコマース機能は未搭載

ライブコマースはTikTokのショッピング機能の1つ「LIVE Shopping」としてリリースされています。

2022年7月時点では、日本版TikTokにはショッピング機能自体が実装されていないため、ライブコマースも利用できません。

TikTokは中国版の抖音(ドウイン)と海外版(TikTok)に分かれており、ドウイン以外にはアメリカやヨーロッパの一部でテスト的に実装されています。

日本版TikTokでは、すでにライブ配信機能がリリースされているため、順次ショッピング連携やライブコマース機能も実装されていくでしょう。

まとめ:TikTokのライブコマース実装に向けて準備すべき

本記事では、ライブコマースのメリットや海外の実例、TikTokへの期待について紹介しました。

ライブコマースは中国で一大消費トレンドとなっているものの、ショッピング機能と連携できなければ再検討されてしまうため、本来の強みを発揮できません。

ライブ配信でPRしている方もいますが、ユーザーの需要と合っていなければインフルエンサーや企業の信頼が低下してしまいます。

ライブコマースにおいて、ユーザーが積極的に購入する姿勢であることはとても重要です。

今後、TikTokを含めライブコマースが日本でも消費トレンドとなることを見越して、いつでも実践できるように準備しておきましょう。

他にもTiktokを使ったマーケティングのノウハウについて、下記の記事で解説しています。ここまでお読みいただいた方には是非おすすめです。

https://lab.topica-works.com/archives/4684